デザイナーを目指す初心者にとって、Adobe Illustrator（イラレ）と Photoshop（フォトショ）のどちらを先に学ぶべきかは、よくある悩みの一つです。それぞれのソフトには特徴があり、用途に応じた使い方が求められます。本記事では、イラレとフォトショの違いや、初心者が効率よく学習を進めるための順序と上達方法を解説します。
迷ったらまずはフォトショップからがおすすめです！その理由を解説していきます！
イラレとフォトショの違いを理解する
まずは、IllustratorとPhotoshopの基本的な違いを理解することが重要です。それぞれのソフトが得意とする作業を知ることで、自分に合った学習順序が見えてきます。
Illustratorの特徴
- ベクターデータを扱う：解像度に依存せず、拡大縮小しても画質が劣化しない
- ロゴ、アイコン、イラスト制作に最適
- 印刷物のデザインに強い
Photoshopの特徴
- ラスター（ビットマップ）データを扱う：ピクセル単位で画像を編集する
- 写真加工、Webデザイン、バナー制作に最適
- 色調補正や合成が得意
ポイント：印刷物のデザインをしたい場合はイラレ、Webや写真加工をメインにしたい場合はフォトショを先に学ぶのがおすすめです。
Illustratorから学ぶ場合
デザインのスキルを身につけたいなら、Illustratorの習得は避けて通れません。特に、印刷物のデザインやロゴ制作に興味がある場合は、PhotoshopよりもIllustratorから学ぶのが効率的です。Illustratorはベクター形式のデザインソフトなので、ロゴや名刺などの拡大・縮小しても劣化しないデザインを作成するのに最適です。
ここでは、Illustratorの学習ステップと、初心者が押さえておくべきポイントを詳しく解説します。
Illustratorの学習ステップ
1. 基本ツールの使い方を覚える
まずは、Illustratorの基本的なツールを使いこなすことから始めましょう。特に、ペンツールとシェイプツールは、ロゴ制作やイラスト作成に頻繁に使います。
- ペンツール：曲線や直線を自由に描けるツール
- シェイプツール：四角形や円形など、簡単な図形を作成するツール
これらのツールを使いながら、オブジェクトの移動、整列、カラー変更などの基本操作も一緒に覚えましょう。
2. 簡単なロゴや名刺デザインを作成してみる
次に、簡単なロゴや名刺デザインに挑戦してみましょう。最初はシンプルなデザインで構いません。自分の名前や屋号を使った名刺を作るだけでも、実践的な学びになります。
- 名刺デザインを作成する際は、文字の配置バランスや色使いを意識しましょう。
- ロゴ制作に挑戦する場合は、シンプルな図形と文字の組み合わせから始めると良いです。
💡 ポイント
「完璧を目指さなくてもOK」です。初心者のうちは、たくさん作ってみることが大切です。
3. レイヤーやパスの概念を理解する
Illustratorで作業をする上で、レイヤーとパスの概念を理解しておくことは必須です。
- レイヤー：作業中のオブジェクトを整理するための層のようなもの
- パス：オブジェクトの輪郭線を指し、形を自在に変えることが可能
これらを正しく使いこなすことで、作業効率が格段に上がります。また、複雑なデザインを修正する際にも、レイヤーを理解していると便利です。
4. 実践的なプロジェクトに挑戦する
最後は、実践的なプロジェクトに挑戦してみましょう。たとえば、架空のカフェのロゴを作ったり、友人や家族に名刺をプレゼントしたりすると、モチベーションも上がります。
- ポスターやフライヤーをデザインする
- 自分のSNS用のアイコンやバナーを作成する
- クラウドソーシングに登録して案件に応募してみる
実践を積むことで、自然とクライアントワークの流れも掴めるようになります。
Illustratorを学ぶ際のコツ
Illustratorは、最初は難しく感じるかもしれませんが、毎日少しずつ触ることで確実に上達します。
💡 学習のコツ
- 最初は動画教材を活用する
YouTubeなどの無料動画を見ながら、実際に手を動かしてみましょう。 - 作りたいものを明確にする
「こんな名刺を作りたい」「自分のロゴが欲しい」といった目標があると、楽しく学べます。 - 分からない部分はその都度調べる
Illustratorには多機能なツールがたくさんあります。一気に覚えようとせず、必要なときに調べるのが効率的です。
Photoshopから学ぶ場合
写真加工やWebデザインに興味がある場合、最初に学ぶべきソフトはPhotoshopです。Photoshopは、画像編集からバナー制作、SNS投稿画像の作成まで幅広く活用できるため、特にWeb系のデザイナーを目指す方には欠かせないツールです。
ここでは、Photoshopの基本的な学習ステップと、初心者でも実践しやすいポイントを解説します。
Photoshopの学習ステップ
1. 基本ツールの使い方を覚える
まずは、Photoshopの基本的なツールの使い方を覚えましょう。特に、選択ツールとブラシツールは、写真加工や画像編集に欠かせない機能です。
- 選択ツール：特定の部分だけを選択して編集できるツール
- ブラシツール：画像に手書きで加筆したり、細かい修正を加えたりできるツール
その他にも、移動ツールや文字ツールなどの基本操作を覚えると、簡単な画像編集ができるようになります。
💡 ポイント
「難しそう」と思わず、最初は簡単な編集から始めるのがおすすめです。
2. 画像のトリミングや色調補正を試してみる
次に、画像のトリミングや色調補正を試してみましょう。これらは、写真の見た目を簡単に変えることができるため、Photoshopを使う楽しさを実感できます。
- トリミング：写真の不要な部分を切り取って、必要な部分だけを残します。
- 色調補正：明るさやコントラスト、彩度を調整して、写真の雰囲気を変えます。
✅ 具体的な練習方法
- 家族写真や旅行の写真を使って、不要な部分をトリミングしてみる
- 暗い写真を明るくしたり、色味を調整して理想の仕上がりにしてみる
💡 ポイント
色調補正はWebバナーやSNS投稿画像を作るときにも役立ちます。Photoshopを使いこなす上で、避けて通れないスキルです。
3. レイヤー、マスク、フィルターの使い方を理解する
Photoshopのレイヤーとマスクの概念を理解することで、より高度な画像編集ができるようになります。
- レイヤー：画像を重ね合わせて管理する仕組みです。
- マスク：画像の一部分を隠したり、透明にしたりするためのツールです。
- フィルター：画像にエフェクトを加えることで、特殊な効果を出せます。
✅ 実践例
- 複数の画像を重ねてコラージュを作成する
- マスクを使って一部だけ色を変える加工をしてみる
- フィルターを使って、画像にぼかしやモザイク効果を加える
💡 ポイント
レイヤーとマスクは、慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、Photoshopの編集作業では最も重要なスキルです。
4. WebバナーやSNS投稿画像を作成してみる
最後に、実際のデザイン制作に挑戦してみましょう。特に、WebバナーやSNS投稿画像の制作は、実践的な練習になります。
✅ 制作例
- Instagramの投稿用画像を作成する
- セールやキャンペーン用のWebバナーを作る
- YouTubeのサムネイルをデザインしてみる
これらの制作物は、ポートフォリオとしても活用できます。最初はシンプルなデザインでOKですので、どんどん手を動かしてみましょう。
💡 ポイント
実際に手を動かして制作することで、Photoshopの使い方が自然と身につきます。最初は「真似する」ことから始めるのもおすすめです。
Photoshopを学ぶ際のコツ
Photoshopは多機能なソフトなので、最初はすべてを覚える必要はありません。必要な機能から順番に覚えていくことで、無理なく習得できます。
💡 学習のコツ
- 最初は簡単な編集から始める
難しい加工に挑戦する前に、基本的な編集から始めましょう。 - 興味のあるデザインを真似してみる
「こんなバナーを作ってみたい」というデザインを見つけて、真似してみると実践力がつきます。 - 継続して触る
一度に覚えようとするのではなく、毎日少しずつ使ってみるのが上達の秘訣です。
効率的な学習方法
① 動画チュートリアルを活用する
YouTubeやAdobe公式の動画チュートリアルを活用することで、実際の操作を見ながら学ぶことができます。
おすすめの動画チャンネル
- Adobe公式チャンネル
- The Futur
- Pixel & Bracket
② 実際に手を動かす
ソフトの使い方を覚えるには、実際に手を動かして作業するのが一番です。
ポイント
- 簡単なプロジェクトを設定して作業する
- 自分の好きなテーマでデザインを作成する
- 失敗を恐れずに試行錯誤する
③ ショートカットキーを覚える
ショートカットキーを覚えることで、作業スピードが大幅にアップします。
おすすめのショートカットキー
- Ctrl（Cmd）+Z：元に戻す
- Ctrl（Cmd）+S：保存
- Ctrl（Cmd）+C：コピー
- Ctrl（Cmd）+V：ペースト
上達するための練習方法
① 模写で練習する
プロのデザインを模写することで、実践的なスキルが身につきます。
ポイント
- 既存のロゴやバナーを模写してみる
- 配色やレイアウトのバランスを意識する
② チャレンジプロジェクトを設定する
自分でテーマを設定し、デザインを作成することで、実践力が養われます。
例
- ロゴデザインコンペに参加する
- SNS用のバナー画像を作成する
- 架空のブランドのブランディングを考える
デザイナー初心者が注意すべきポイント
① 焦らず、継続的に学ぶ
デザインスキルは一朝一夕では身につきません。焦らず、継続的に学ぶことが大切です。
ポイント
- 毎日少しずつ学習を進める
- 小さな成功体験を積み重ねる
② 他人と比較しない
他人のデザインスキルと比較すると、モチベーションが下がることがあります。自分の成長を実感することに集中しましょう。
ポイント
- 過去の自分と比較する
- 小さな進歩を喜ぶ
まとめ
- イラレとフォトショの違いを理解し、自分の目的に合わせて学習順序を決める
- 動画チュートリアルや模写を活用し、実践的なスキルを身につける
- 焦らず継続的に学び、少しずつ上達していくことが大切
本記事を参考に、自分に合った学習方法でAdobe製品のスキルを身につけ、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせましょう。
