「初めてのクライアント案件、どこから手をつければいいの?」と不安を感じるママデザイナーも少なくありません。案件をスムーズに進めるためには、受注から納品までの流れを把握し、適切な手順で進めることが大切です。本記事では、デザイン案件の受注から納品までの基本手順を詳しく解説します。
案件の受注|最初のやり取りから契約まで
案件を受注する際の最初のステップは、クライアントとのやり取りを丁寧に行い、信頼を築くことです。
① 初回コンタクトのポイント
- クライアントからの問い合わせに迅速に返信する
- 自己紹介と過去の実績を簡潔に伝える
- クライアントの要望をヒアリングする
② 契約の締結
クライアントとの契約は、口頭ではなく必ず書面で行いましょう。
必要な契約書の種類
- 業務委託契約書
- NDA(秘密保持契約書)
契約時のポイント
- 契約内容を明確にする(納期、報酬、修正回数など)
- 双方の署名・押印を確認する
プロジェクト開始|要件定義とスケジュール管理
プロジェクトを円滑に進めるためには、最初に要件をしっかりと定義し、スケジュールを管理することが重要です。
① 要件定義
クライアントの要望を明確にし、プロジェクトの目的やゴールを共有しましょう。
ヒアリングのポイント
- 目的:なぜこのデザインが必要なのか?
- ターゲット層:誰に向けたデザインなのか?
- 納期:いつまでに必要なのか?
② スケジュール管理
納期遅延を防ぐために、プロジェクトのスケジュールを細かく管理します。
タスクの例
- 初回ヒアリング
- ラフ案の作成
- クライアント確認
- 最終デザインの納品
デザイン制作|効率的な作業プロセス
デザイン制作のプロセスを効率化することで、クオリティを保ちながらスムーズに進められます。
① ラフ案の作成
まずはラフ案を作成し、クライアントに方向性を確認してもらいましょう。
ポイント
- 3案程度のバリエーションを提示する
- クライアントのフィードバックを反映する
② デザインの確定
ラフ案が確定したら、細部を詰めて最終デザインを作成します。
チェックポイント
- ブランドカラーやフォントが一貫しているか
- モバイル対応のデザインになっているか
- クライアントの要望が反映されているか
クライアント確認|フィードバックの対応
デザインが完成したら、クライアントに確認してもらい、フィードバックを受けて適切に対応することが重要です。クライアントの意見を反映することで、最終的な納品物の満足度が向上し、信頼関係の強化にもつながります。
今回は、フィードバックの受け取り方と修正対応のポイントについて解説します。
フィードバックの受け取り方
クライアントからのフィードバックは、より良いデザインを完成させるための貴重な情報です。受け取る際には、以下のポイントを意識しましょう。
1. クライアントの意見をしっかりと受け止める
フィードバックを受ける際には、感情的にならず、クライアントの意見を冷静に受け止めることが大切です。
- 「この部分はなぜ変更が必要なのか?」
- 「どのような方向性が理想なのか?」
といった質問をしながら、クライアントの意図を深掘りして理解しましょう。意見を尊重し、積極的に改善点を受け入れる姿勢を見せることで、クライアントに信頼感を与えます。
2. 修正箇所を具体的に確認する
フィードバックを受けたら、修正が必要な箇所を具体的に確認します。曖昧な指示に対しては、しっかりと詳細を確認してから修正に取りかかりましょう。
- 「この色を変更したいとのことですが、具体的にどの部分の色を変更しますか?」
- 「テキストの修正について、具体的な文言を教えていただけますか?」
具体的な確認を行うことで、修正作業がスムーズに進み、無駄な手戻りを防ぐことができます。
修正対応
フィードバックに基づく修正対応は、クライアントの満足度に直結する重要な作業です。以下のポイントを意識して進めましょう。
1. 修正回数を事前に決めておく
最初の段階で、クライアントと修正回数を事前に取り決めておくと、トラブルを防ぐことができます。
- 「基本的には3回までの修正対応を承ります。」
- 「大幅な変更が必要な場合は、追加料金が発生する可能性があります。」
修正回数を明確にしておくことで、無制限の修正依頼を防ぎ、双方の負担を軽減することができます。
2. 修正内容をリスト化し、順番に対応する
フィードバック内容をリスト化し、優先順位をつけて順番に対応することで、作業の抜け漏れを防ぎます。
リスト化の例
- ロゴの色を変更
- メインビジュアルのテキスト修正
- フッター部分のリンク修正
リストを作成することで、修正作業が体系的に進み、クライアントにも進捗状況を報告しやすくなります。
クライアントへの報告
修正が完了したら、クライアントに進捗状況を報告します。
報告の例
- 「ご指摘いただいた箇所の修正が完了しましたので、ご確認をお願いいたします。」
- 「追加のご要望がございましたら、引き続きお知らせください。」
定期的な報告を行うことで、クライアントとのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係が深まります。
クライアント確認とフィードバック対応は、プロジェクトの成功に欠かせない重要なステップです。
- クライアントの意見をしっかりと受け止める
- 修正箇所を具体的に確認する
- 修正回数を事前に決めておく
- 修正内容をリスト化し、順番に対応する
これらのポイントを押さえることで、クライアントとの信頼関係を築き、スムーズなプロジェクト進行が実現できます。
納品|ファイルの形式と送付方法
デザインが完成したら、納品ファイルを作成し、クライアントに送付します。
① 納品ファイルの準備
一般的な納品形式
- PSD、AI(編集可能ファイル)
- PNG、JPEG(画像ファイル)
- PDF(ドキュメントファイル)
注意点
- ファイル名を分かりやすくする
- フォルダにまとめて圧縮する
② クライアントへの送付
送付方法の例
- チャットやメールに添付
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropboxなど)
送付時のポイント
- 簡単な挨拶文を添える
- 納品物の内容を明記する
請求書の送付|報酬の受け取り
納品が完了したら、クライアントに請求書を送付します。請求書の作成方法については、前述の「デザイナーのための請求書作成ガイド」を参考にしてください。
まとめ
- デザイン案件は、受注から納品までの手順をしっかりと把握することで、スムーズに進められる
- 契約、要件定義、スケジュール管理、デザイン制作、クライアント確認、納品の各ステップを丁寧に行う
- クラウドストレージやタスク管理ツールを活用し、効率的に作業を進める
初めての案件でも安心して取り組めるよう、本記事の手順を参考に、デザイン案件を成功させましょう。